通常、販売力が効果を発揮するのは、実際に出版されて書籍が店頭に並んでからです。
しかし、実は企画を売り込む段階で、販売力の有無は大きく影響します。
より売れる本を作りたいのが出版社なので、当たり前ですね。
では、企画の売り込み段階で販売力が有るのと無いのとでは、何が違うのでしょうか?
それは、企画内容です。
簡単にいえば、販売力があるなら書きたい企画で出版できますし、販売力がないのであればより売れる企画で出版しなければなりません。
つまり、販売力と企画力はシーソーの関係なのです。
では、具体的に販売力の目安です。
3000部あれば、公序良俗に反しないことを前提に書きたいことで出版できます。
2000部あれば、商品価値があると出版社が判断するレベルで出版できます。
1000部あれば、時勢や流行を加味し、キャッチーな書名、内容であれば出版できます。
それ以下であれば、出版社が出したい企画、出版社が売れると思う企画であれば出版 できます。
そして、一冊でも出版したら、その瞬間からあなたの著者人生がはじまります。 著者であり続けるために必要なのは、打率3割です。
出した本が利益を生めば“勝ち”、損をしなければ“引き分け”、損をしたら“負け”とな ります。
損の判断は原価率だったり、粗利だったりと出版社によってマチマチです。
ただ、だいたいの発行部数と売れ行きは、出版社間で情報を共有されていますので、 実績はついて回ると思っておいたほうがよいでしょう。
その打率は、1冊目が売れれば10割、売れなかったら0割ということになります。冊数を重ねても3割を下回らない限り、あなたは著者として書籍を刊行し続けられるで しょう。
さて、本題です。 あなたは、本は出版社が売ってくれると思っていませんか?
よく、企画書をお送りいただいた方に「どれぐらい自分で売る自信がありますか?」 と聞きます。
するとほとんどの方が、「本は出版社が売ってくれるんですよね」とおっしゃいます。
確かに間違いではありませんが、正解でもありません。
出版社には営業部があり、その営業部の方々がより売れる場所に置いてもらえるように書店側と折衝してくれています。
ただし、折衝してくれる内容は、あくまでも売れる場所に置いてもらえるかどうかで、 決してあなたの本を売ってくれるわけではないんです。
それなのに、出版社にあなたの著者人生を委ねても、本当にいいんですか?
つまり、著者人生を継続したいと思うのなら、出版社の販売チャンネルのほかに、自分で独自の販売チャンネルを築いておいてください。
最低でも1000部を自分の販売チャンネルで売ることができるのなら、よほどのこと がない限り、あなたの打率が3割を切ることはないでしょう。
逆にいえば、1000部ぐらい自力で売る自信がない状況であれば、短い著者人生を送 ることが目に見えてますので、このタイミングで出版するべきではありません。
できるだけ長い著者人生を送れるように、用意周到に準備を進めて出版を目指してく ださい。
こうして考えると、企画の段階でも販売力の有無は影響し、出版したらなおさら販売力が必要だということになります。
だったら、早めに1000人のファンを作ることを考えたほうがよいですよね。
ただし、ここで重要なのは、ただ1000人のファンを作ればよいというわけではあり ません。
あなたのために1500円払ってくれるファンを1000人作らなければならないのです(1万5000円払ってくれるファンを100人集めるよりかなり難しいですよ)。
最初からそこを意識して取り組めば、あなたへの信頼、コンテンツへの価値なわけですから、記事を書く立ち位置やコメント返し、質問の返信など、細かい部分も含めて気をつけるべき箇所はわかっているので、それほど難しくはないでしょう。